滅多に見られないサツマイモの花の色!ピンクの幻と不吉な噂の真相
サツマイモ の 花 の 色を、あなたはパッと思い浮かべることができるだろうか。普段私たちが食卓で目にする豊かな紫色の皮や鮮やかな黄色の身とは裏腹に、畑で育つ植物としての花を目にした人は極めて少ない。本州などの主要な産地において、その開花は「滅多に出会えない奇跡」とすら称される。農家でさえ一生に数回見られるかどうかという、まさに幻の光景だ。
だが近年、気候の変動や家庭菜園ブームの到来により、SNSや地域ニュースで開花報告を目にする機会が増えている。人々を惹きつけるサツマイモ の 花 の 色は、可憐なピンクや清涼感のある淡い紫色。朝顔を小さくしたような美しい喇叭(ラッパ)形の花には、植物学的な神秘だけでなく、日本の歴史や人々の暮らしに深く根ざした意外な真実が隠されていた。
ピンクや淡い紫色?サツマイモの花の色とアサガオに似ている理由
実際に咲いた花を観察すると、中心部が濃い紫色に染まり、外側に向かってやわらかなピンクや白色のグラデーションが広がっている。その造形は、私たちが夏の早朝によく目にするアサガオに驚くほど酷似している。それもそのはず、園芸学や植物分類学の視点から見れば、サツマイモはヒルガオ科サツマイモ属に分類される植物だからだ。
同科にはアサガオやヒルガオ、ヨルガオなどが名を連ねる。いわば「親戚」にあたる関係だ。地下に巨大な塊根を実らせるイメージが強いため見落とされがちだが、地上で広がるつるや葉、そしてひとたび開く花の構造は、紛れもなくヒルガオ科特有の美しいラッパ型を呈している。
なぜめったに見られないのか?短日植物が告げる開花条件の秘密
では、なぜこれほど身近な野菜でありながら、花を見る機会が極端に少ないのだろうか。最大の理由は、サツマイモが「短日植物」という性質を持っている点にある。
短日植物とは、日照時間が短くなり、夜の長さが一定以上に達することで花芽をつける植物のことだ。サツマイモの原産地は中央アメリカの熱帯地域。赤道に近い地域では年間を通じて昼夜の長さがほぼ均等であり、気温も高いため自然に花が咲く。しかし、日本の本州など温帯地域では、夏場の日長(昼の長さ)が長く、日照時間が短くなる秋口にはすでに気温が下がりすぎてしまう。その結果、花芽が形成される前に収穫期を迎えてしまうのだ。沖縄や九州南部などの暖地、あるいは記録的な猛暑や酷暑が続いた年に限定して開花が見られるのは、こうした環境的な裏付けがある。
咲くと不吉?大飢饉の記憶と青木昆陽が広めた救荒作物の真実
古くから農村部では「サツマイモの花が咲くと凶作になる」「不吉な前兆だ」という言い伝えが残されている。一見すると可憐で美しい花が、なぜそのような忌み嫌われる存在として語り継がれてきたのか。
その背景には、異常気象と歴史の傷痕がある。本来なら咲くはずのない本州でサツマイモが開花するということは、その年の夏が猛烈な干ばつや極端な高温に見舞われたことを意味していた。主食である米や水稲が激しい日照りで全滅するような厳しい年にこそ、サツマイモはSOSのサインのように花を咲かせたのだ。江戸時代、青木昆陽が「甘藷(かんしょ)」として全国に栽培を広め、大飢饉から多くの命を救った歴史は有名だ。どんな過酷な環境でも土中で育つ力強い農業の救世主であった反面、花が咲くほどの異常気象は民衆に餓死の恐怖を想起させた。不吉という噂は、災害と隣り合わせだった先人たちの生活の知恵であり、警告の記憶だったと言える。
「乙女の純情」「幸福」幻の花が持つ心温まる花言葉とは
過去の迷信とは対照的に、植物としてのサツマイモには非常に美しい花言葉が授けられている。代表的なものに「乙女の純情」「幸福」「美しい思い出」がある。
淡いピンク色の小さな花弁が、朝の光を受けてひっそりと開く姿は、まさに純真な心を持つ乙女の佇まいを連想させる。また、地中でしっかりと栄養を蓄え、多くの人々のお腹を満たしてきた歴史から「幸福」という言葉が添えられたのも頷ける。めったに出会えない「幻の花」だからこそ、畑で見つけた際には幸運の訪れを感じずにはいられない。
農林水産省や農研機構が注目する品種改良と最新の農業技術
一般の農家や家庭菜園においては開花が珍しい一方、先端的な農業研究の現場では、意図的にサツマイモの花を咲かせる技術が不可欠とされている。農林水産省の傘下にある国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)をはじめとする研究機関では、日々新たな品種の交配が行われている。
サツマイモは主に栄養繁殖(芋そのものを植えて増やす方法)で栽培されるが、病害虫に強い新種や、より甘く食感の良い芋開発には、花を咲かせて受粉させ、種子を得る交配作業が欠かせない。研究現場では、台木に同科のアサガオなどを接ぎ木したり、日照時間を人工的にコントロールする短日処理を施したりして、確実な開花を誘導している。私たちが日頃楽しんでいる大ヒット品種の裏にも、花を咲かせる高度な技術が息づいているのだ。
NHK『趣味の園芸』でも話題!家庭菜園で開花に出会うヒントとNHKプラスの活用
近年は、自宅のプランターや市民農園でサツマイモ栽培を楽しむ人が増え、NHK『趣味の園芸』などの専門番組でも、サツマイモの生育メカニズムや開花の観察ポイントが取り上げられる機会が増えた。猛暑が続く近年の夏は、都市部でもベランダ栽培のサツマイモが花をつける事例報告が急増している。
もし家庭菜園でつるの先から小さな蕾(つぼみ)を見つけたら、朝の早い時間帯に観察してみよう。朝顔と同様に、花は午前中の早い段階で萎んでしまうことが多い。見逃してしまった放送内容や、最新の栽培テクニックを詳しく知りたい場合は、番組の見逃し配信サービス「NHKプラス」を活用するのもおすすめだ。普段の食生活では気づかない植物としてのサツマイモの魅力に触れることで、秋の収穫の喜びはさらに深いものになるだろう。 (出典: サツマイモ の 花 の 色(Yahoo!ニュース))