肩関節1st・2nd・3rd参考可動域一覧!測定肢位と代償動作の完全攻略

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肩関節1st・2nd・3rd参考可動域一覧!測定肢位と代償動作の完全攻略
肩関節1st・2nd・3rd参考可動域一覧!測定肢位と代償動作の完全攻略
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🎵 肩関節1st・2nd・3rd参考可動域一覧!測定肢位と代償動作の完全攻略

肩関節の可動域評価において、多くの理学療法士や作業療法士、リハビリテーション実習生が突き当たる壁が「1st(下垂位)」「2nd(外転位)」「3rd(屈曲位)」における回旋運動の解釈です。「日本整形外科学会の参考可動域には外旋60度・内旋80度とあるが、外転90度位(2nd)では何度が正常なのか」「なぜ肢位を変えて回旋を測る必要があるのか」と疑問を抱いた経験は誰しも一度はあるはずです。

肩甲上腕関節は人体の中で最も広い可動性を誇る球関節であり、肢位の変化によって関節包や靭帯、腱板の緊張パターンが劇的に変化します。単一の角度測定にとどまらず、三次元的な運動連鎖と軟部組織の動態を把握することは、拘縮肩や腱板断裂の病態鑑別において決定的な役割を果たします。本稿では、2026年時点の最新リハビリテーション医学およびバイオメカニクスの知見に基づき、各肢位の参考可動域、正確な測定技術、代償動作の制動ポイントを徹底的に解き明かします。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:公的な日本整形外科学会基準(下垂位:外旋60°/内旋80°)と、臨床で用いる2nd(外旋90°/内旋70°)・3rd(外旋90°/内旋70°前後)の正常値・制限因子の違いを完全網羅。
  • 要点2:1stは烏口上腕靭帯・前上方関節包、2ndは前下方・後下方関節包(AIGHL/PIGHL)、3rdは後方組織のタイトネスを浮き彫りにする。
  • 要点3:肩甲骨の挙上・前傾や体幹回旋といった代償動作を的確にブロックし、エンドフィール(最終域感)と自動・他動差から拘縮肩と腱板不全を鑑別する。

【一覧表】肩関節1st・2nd・3rd肢位の参考可動域と臨床基準

臨床現場で即座に参照できるよう、肩関節の代表的な3肢位における回旋可動域、制動組織、および評価目的を構造化しました。日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会の基準を踏まえつつ、運動学研究で実証されている臨床的な可動域データを統合しています。

肢位(ポジション)運動方向と正常参考値主な解剖学的制限因子(緊張組織)臨床的意義・評価の焦点
1st Position
(第1肢位:下垂位)
・外旋:60°
・内旋:80°(※公的基準値)
※臨床的純粋内旋は30°〜45°程度または結帯動作で評価
【外旋制限】烏口上腕靭帯(CHL)、上肩甲上腕靭帯(SGHL)、肩甲下筋上部線維
【内旋制限】棘下筋、小円筋、後上方関節包
腱板疎部(RI)の柔軟性や凍結肩の初期拘縮を評価。結帯・結髪動作の土台となる基本的回旋を把握する。
2nd Position
(第2肢位:外転90°位)
・外旋:90°
・内旋:60°〜70°
※肩甲骨固定の有無で値が変動しやすい
【外旋制限】下肩甲上腕靭帯前前線維(AIGHL)、中肩甲上腕靭帯(MGHL)、肩甲下筋下部
【内旋制限】下肩甲上腕靭帯後方線維(PIGHL)、後下方関節包
投球動作(コッキング期〜フォロースルー期)やオーバーヘッドスポーツ障害(投球肩障害)の病態把握、下関節包複合体のタイトネス評価。
3rd Position
(第3肢位:屈曲90°位)
・外旋:70°〜90°
・内旋:60°〜70°
※水平内外転角度の厳密な管理が必須
【外旋制限】前下方関節包、烏口上腕靭帯後方線維
【内旋制限】後方・後下方関節包、棘下筋・小円筋腱部
水平内転を伴う結帯動作の最終域や、インピンジメント症候群における後方タイトネスの鑑別。前方・後方の滑走不全を特定する。
※日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準(改訂版)における基本測定肢位は下垂位(1st)。2ndおよび3rdは日本整形外科学会用語集や運動力学臨床研究に基づく機能的評価指標。
当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:m.media-amazon.com)

臨床の盲点|公的基準と1st・2nd・3rd評価の違いと誤解を是正

臨床実習生や若手療法士が最も混乱しやすいのが、「カルテに記載する参考可動域」と「リハビリテーション治療のために測る可動域」の乖離です。日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が策定した「関節可動域表示ならびに測定法」における肩関節回旋の基本測定法は、上腕を体幹に密着させた下垂位、すなわちファーストポジション(1st)に限定されています。

公的基準で定められた「外旋60度・内旋80度」という数値は、下垂位かつ肘関節90度屈曲、前腕中間位を基準とした規定値です。しかし、この数値をそのまま外転90度(2nd)や屈曲90度(3rd)に当てはめることは解剖学的な誤りです。肩甲上腕関節運動学の視点から見ると、上腕骨の挙上角度が変われば、関節包のねじれや靭帯の緊張部位がダイナミックにシフトするためです。

下垂位(1st)では烏口上腕靭帯(CHL)や上肩甲上腕靭帯(SGHL)といった前上方組織が緊張しますが、外転90度(2nd)になると前下関節包靭帯(AIGHL)と後下関節包靭帯(PIGHL)で構成される下肩甲上腕靭帯複合体(IGHLC)がハンモックのように上腕骨頭を吊り下げる形になり、制動の主役が入れ替わります。公的記録として外旋60度・内旋80度を理解したうえで、関節拘縮の病巣を三次元的に突き止めるために2ndや3rdの測定が必要になるという二層構造を押さえておく必要があります。

【肢位別】正確な肩関節ROM測定法と代償動作の見抜き方

肩関節ROM測定における最大の敵は「代償動作」です。肩甲上腕関節の可動域制限を、肩甲骨の過剰な動きや体幹の傾きで補正してしまうと、真の可動域を見誤り、誤った治療アプローチを選択することになります。各肢位における正しい操作手順と、典型的な代償の兆候を把握しなければなりません。

1st Position(下垂位)の測定技術と代償の抑え込み

患者を坐位または背臥位にし、上腕骨を軽度外転(約20〜30度)させず完全に体幹へ沿わせます。肘関節を90度屈曲させ、前腕を中間位にセットします。

  • 外旋時の代償動作:上腕骨が体幹から離れる(外転代償)、肩甲骨の内転、体幹の同側回旋・側屈。
  • 内旋時の代償動作:肩甲骨の過剰な前傾(お辞儀運動)、肩甲骨の外転、体幹の反対側回旋。
  • 測定のコツ:検者の片手で烏口突起と肩甲棘を把持し、肩甲骨を完全に面固定します。体幹と肘の間に畳んだタオルを挟むことで、外転代償を視覚的に検出しやすくなります。

2nd Position(外転90°位)の測定技術と代償の抑え込み

背臥位を取り、肩関節を肩甲骨面(スキャプラプレーン)または前額面で90度外転させます。肘関節は90度屈曲位とし、前腕を床と垂直にします。

  • 外旋時の代償動作:腰椎の前弯(胸郭の浮き上がり)、肩甲骨の後傾、肘関節の屈曲角度のズレ。
  • 内旋時の代償動作:肩峰前方の浮き上がり(肩甲骨前傾・上方回旋)、肩甲帯の挙上。
  • 測定のコツ:セカンドポジション内旋では、骨頭の前方偏位と肩甲骨の前傾が非常に生じやすくなります。検者の手掌基部で鎖骨外側端および烏口突起を後下方へ軽く圧迫し、上腕骨頭が前方に飛び出す直前の角度を純粋な肩甲上腕関節の可動域として捉えます。

3rd Position(屈曲90°位)の測定技術と代償の抑え込み

肩関節を屈曲90度、肘関節を90度屈曲した状態で、回旋運動を行います。水平内外転が0度(矢状面と平行)を保つことが前提条件です。

  • 外旋・内旋時の代償動作:水平外転や水平内転への逃げ、頚部の過屈曲、胸椎の回旋。
  • 測定のコツ:上腕骨の長軸がブレないよう、肘頭を空間上で正確に固定軸として保持します。サードポジション内旋で生じる最終可動域制限は、後下方関節包や棘下筋下部線維の硬さ(後方タイトネス)を極めて鋭敏に反映します。

制限因子を即座に見抜く|拘縮肩と腱板断裂における可動域評価の鑑別

可動域測定は単に角度を記録する作業ではなく、組織の病態を鑑別する触診的検査です。特に臨床で遭遇頻度の高い「拘縮肩(五十肩・凍結肩)」と「腱板断裂」では、各肢位における制限パターンとエンドフィール(最終抵抗感)が大きく異なります。

ファーストポジション外旋制限から読み解く病態

1st外旋の著しい制限(例えば健側60度に対し患側10度など)は、烏口上腕靭帯(CHL)の瘢痕化・拘縮を示す典型的な所見です。腱板疎部(ローテーターカフ・インターバル)に炎症が波及すると、下垂位での外旋時に硬い抵抗(Firm feel)または骨性の衝突に近い抵抗感が生じます。これに対し、腱板不全(完全断裂など)の場合は、他動可動域は保たれているにもかかわらず、自動運動での外旋が保持できずに前腕が内旋位へと戻ってしまう「外旋ラグサイン(External Rotation Lag Sign)」が陽性となります。

セカンドポジション内旋制限と後方関節包タイトネス

2nd内旋の制限は、いわゆる投球障害肩やインピンジメント症候群で頻繁に見られる「GIRD(Glenohumeral Internal Rotation Deficit:肩甲上腕関節内旋障害)」の中核をなす現象です。下肩甲上腕靭帯後方線維(PIGHL)が肥厚・短縮すると、上腕骨頭が後方へ滑り込めず、外転内旋時に骨頭が前上方へ偏位して烏口肩峰アーチと衝突します。拘縮肩可動域改善を目的とする場合、2nd内旋の角度変化は治療効果を判定する最も高感度な指標となります。

自動(Active)と他動(Passive)の解離を見逃さない

理学療法評価において最も基本的な原則は、他動可動域(PROM)と自動可動域(AROM)の差異の確認です。拘縮肩であればPROM・AROMともに同等に制限されますが、腱板断裂ではPROMが正常または軽度制限にとどまる一方、AROMのみが極端に低下します。痛みを伴う最終域の抵抗感が関節包性(Tissue stretch)なのか、筋収縮不全による虚脱なのかを、1stから3rdまでの各肢位で段階的に照合していく作業が鑑別の精度を決定づけます。

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル

理学療法士のカンファレンスや医療コミュニティ、SNS上などで定期的に議論されるのが、「臨床でのゴニオメーター測定の再現性の低さ」に対する悩みです。現場の若手セラピストや実習生のリアルな証言を検証すると、共通するつまずきが見えてきます。

「バイザーから『2nd内旋を測るときに肩甲骨が浮いているから測定値が20度も過大評価になっている』と指摘された。教科書通りにゴニオメーターを当てようとすると、両手が塞がって肩甲骨を押さえられない」(20代・理学療法士手記より)

「1st外旋で体幹を捻って角度を出してくる患者さんに対し、代償を完全に止めると『痛くて動かせない』と言われる。どこまで代償を許容してカルテに書くべきか基準が曖昧になりがち」(リハビリ実習生の声)

こうした現場の混乱が示すのは、「計器を当てること」に意識が集中し、「エンドフィールを感知するための触診」がおろそかになっているという現実です。ベテランの臨床家は、ゴニオメーターを手に取る前に、まず両手で上腕骨頭と肩甲骨の相対的な動きを他動的に動かして把握します。肩甲骨が動き始める直前の「遊び(Joint play)」が消失した瞬間を指先で感知し、その角度を目視または簡易的な測定器具で読み取る技術こそが、臨床現場で真に求められるスキルです。

【プロの結論】おすすめできるアプローチ・慎重になるべき症例の判断基準

肩関節の3肢位評価は極めて強力な診断ツールですが、すべての患者に画一的に適用してはなりません。患者の病期や組織脆弱性に応じた明確な適応判断が必要です。

積極的に3肢位評価を行うべきケース・炎症が鎮静化した凍結肩(拘縮期)における制限組織の特定
・投球障害肩やバレーボール選手などのオーバーヘッドアスリート(GIRD評価)
・腱板断裂術後のリハビリ進行期における関節包癒着の追跡
測定を慎重・制限すべきケース・急性炎症期(Freezing phase):夜間痛や安静時痛が激しい時期の過度な最終域テストは炎症を悪化させる
・反復性肩関節脱臼・不安定症:2nd外旋は前方脱臼の肢位(Apprehension position)と重なるため、強い他動強制は脱臼誘発のリスクがある
・腱板縫合術後の急性免荷期間(主治医のプロトコルで規定された肢位以外の運動)

一般に知られていない盲点とネットの誤解

Web上の情報や簡易マニュアルで散見される最大の誤解は、「2ndポジションと3rdポジションの角度は同じでよい」「内旋は背中に手が回る角度(結帯)と同一である」という思い込みです。

まず、2ndポジション(外転90度位)と3rdポジション(屈曲90度位)では、上腕骨頭が関節窩に対して接する面が異なります。2ndでは骨頭の前下方および後下方組織が緊張するのに対し、3rdポジションでは上腕骨の前方屈曲に伴い、後方関節包の上部から後下方に至る広範な組織が緊張します。両者を混同して「挙上した状態の内旋」と一括りにしてしまうと、後方タイトネスの局在を見失う原因になります。

さらに、臨床でよく使われる「結帯動作(手椎レベル)」は、肩甲上腕関節の純粋な内旋運動ではありません。結帯動作は、「1st〜3rdの内旋」「伸展」「水平内転」に加え、肩甲骨の前傾・下方回旋、さらには肘関節の屈曲と手関節の可動性が複合した多関節協調運動です。「結帯動作が仙骨レベルまでしかいかないから1st内旋が制限されている」と短絡的に結論づけるのは危険であり、各ポジション単独の回旋角度と複合動作を明確に切り離して評価しなければなりません。

【肩 関節 1st 2nd 3rd 参考 可動 域】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日本整形外科学会の参考可動域と臨床で測る2nd/3rdの数値が違うのはなぜですか?
A1:日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の公的な測定法では、再現性を担保するために基本測定肢位を「下垂位(1st)」と規定しているためです。一方、理学療法現場における2nd(外転位)や3rd(屈曲位)は、異なる靭帯や関節包の緊張状態を三次元的に評価するための臨床的応用指標であり、バイオメカニクス研究に基づく異なる基準値(外旋90度、内旋60〜70度など)が適用されます。

Q2:2ndポジションの内旋角度が出ない場合の主な原因は何ですか?
A2:最も頻度の高い制限因子は、下肩甲上腕靭帯後方線維(PIGHL)および後下方関節包のタイトネスです。これに加えて、棘下筋下部線維や小円筋の滑走不全、上腕骨頭の後方への転がり・滑り運動障害が原因となります。投球障害肩の選手や慢性的な拘縮肩の患者において典型的に見られる制限です。

Q3:1stポジションの外旋制限がある場合、真っ先に疑うべき組織はどこですか?
A3:腱板疎部(Rotator Interval)を構成する烏口上腕靭帯(CHL)の瘢痕拘縮、および上肩甲上腕靭帯(SGHL)、肩甲下筋上部線維の短縮を最優先で疑います。特に五十肩の拘縮期初期には、1st外旋が他動・自動ともに著しく制限されるケースが極めて多く見られます。

Q4:背臥位(寝た状態)と坐位(座った状態)のどちらで測定するのが正確ですか?
A4:厳密な肩甲上腕関節の純粋可動域を測定するには、背臥位が適しています。背臥位ではベッド面によって肩甲骨の後方への移動がある程度制動され、体幹の回旋や側屈の代償を検出しやすいためです。一方、日常生活動作(結帯・結髪)との関連性や姿勢アライメントの影響を評価する目的では、坐位での測定が有用となります。

まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準

肩関節の1st・2nd・3rdポジションにおける参考可動域評価は、単に数値をカルテに埋める作業ではありません。それぞれの肢位でどの軟部組織が緊張し、上腕骨頭が関節窩の中でどのような軌跡を描いているのかを読み解く動態解剖学の探偵作業です。

2026年現在の運動器リハビリテーションでは、超音波エコー(超音波画像診断装置)を用いた動態評価が急速に普及し、可動域測定時にどの靭帯がピンと張り、どの腱板が滑走しているかをリアルタイムで可視化できるようになってきました。しかし、どのような最新機器を用いようとも、検者自身が手掌で肩甲骨を制動し、骨頭の飛び出しや体幹代償を指先で感知する触診の基本が揺らぐことはありません。

「1st=前上方組織」「2nd=下関節包複合体」「3rd=後方組織」という力学的マッピングを頭に叩き込み、代償運動をミリ単位でコントロールすること。その正確なワンステップが、拘縮肩の難治化を防ぎ、腱板断裂術後の円滑な機能回復を導くための最短ルートとなります。 (出典: 肩 関節 1st 2nd 3rd 参考 可動 域(Yahoo!ニュース))